物理学関連教科書感想集

作成途中。最終更新:2005/09/03 物理を勉強している時、一番悩むのは、どの教科書・参考書を買うか、ではな いでしょうか。特に私のように、自分で考えるのが苦手なヘタレの場合。授業 で教科書指定がされている場合や、参考書が例示されている場合は、その本に 沿って授業が行われるのでしょうから、それを買えば良いでしょう。しかし、 教科書指定の無い場合や、参考書が多過ぎて、どれを買えば良いか分からない 場合、または独学で勉強する場合は、どの本を買うかと悩んでしまいます。私 の友人に一人いる、教科書類を一度に7万円分も買ってしまうような豪快な人間 を除いては、全国一億人の物理学徒全員にとって、これは由々しき問題でしょ う。 ここでは、私の使用した教科書の感想(あくまで感想であって、お薦めでは ない!)と、他の教科書紹介サイトへのリンクを張っていこうと思います。 完成までに少々時間がかかると思いますが、長い目で見守っていただきますよ う。 対象は、大学の学部レベルです。物理学科および、その他専門課程で物理学を 使う人を念頭においています。


実際に使用した/読んだことのある教科書について、感想や伝聞情報 を記します。

どこにでも飛んでいけるように、メニュー:


教科書の評価を掲載しているペイジへのリンク

この手のペイジって多数ありますが、リンクを互いに張るという習慣はありませ んよね。惜しいことです。情報は繋げてこそ価値があるのです。直リンクが許可 されているか否かを問わず、無断でリンク集を作っておきます。


作成予定:

おまけ:


力学・解析力学

大学に入りたてで右も左も分からない状態でしたので、普通に教科書に指定さ れていた兵頭『考える力学』を買いました。 一般に教科書として指定されているものを買えば良いのではないかと思います。 また、「ファインマン物理学は読んでおけ」という 意見も耳にします。普通の教科書で、あえて一冊…ということならば、『物理学序論としての 力学』を挙げておきましょう。面白い本です。厚いのがお好みの人はゴー ルドスタインでもどうぞ。斜め読みしかしていませんが、辞書的にも使え、 悪い本ではないはずです。 問題は解析力学でしょうか。私は完全に失敗してしまいました。私のように辞 書的に利用するのではなく、最初から読みとおすなら岩波物理テキストシリー ズ『解析力学』も良いのかも知れませんが、よく分かり ません。ランダウ=リフシッツ『力学』は一度、他の 教科書を読んでからにすべきだったと考えています。

タイトル

考える力学

著者

兵頭俊夫

出版社

学術図書出版社

感想

指定の教科書。普通の教科書という感じだが、読みやすく、独学も出来た。 が、最後におまけのように付いている解析力学は少々分かり辛かった印象が ある。

タイトル

ランダウ=リフシッツ 理論物理学教程 力学 (増訂第3版)

著者

エリ・デ・ランダウ、イェ・エム・リフシッツ、訳:広重徹、水戸巌

出版社

東京図書

内容

最小作用の原理から始まって、力学を解説する。ラグランジュ形式、振 動、剛体などを説明し、最後にハミルトン形式を扱う。

伝聞情報

知らない人はいないのではないかと思います。同シリーズの中で一 番人気。「必読」との意見多し。

感想

参考書としてあげられていました。導入部分は圧巻。一度解析力学を勉 強してから読むと、知識を整理することが出来た。しかし、残念ながら、私程 度の能力では初学で理解することは出来ませんでした。副読本向け。

タイトル

物理テキストシリーズ2 解析力学

著者

大貫義郎

出版社

岩波書店

内容

座標系の変換やラグランジュの未定乗数法など、基本的なところから始 まり、ラグランジュ形式→微小振動→ハミルトン形式と進む。何故か図が著者 の手書き。

伝聞情報

感想

参考書としてあげられていました。ランダウ=リフシッツで分からなかっ た所用。これが普通の進み方なのでしょうか? 授業はランダウ準拠(?)でしたので、 よく分かりませんが。説明が比較的こまかいので、痒いところに手が届く。分 からないところを辞書的に引くというよりも、最初から通して読む本だとおも う。(ので、私の使いかたは間違っていたかも知れません)


電磁気学

良い教科書はあっても、演習書を探すのに手間取りました。最終的には岩波物 理テキストシリーズ『電磁気学』『電磁気学演習』に 落ち着きましたが。 私が、「素直にこうすれば良かった」と考えている演習法:

ところで、教科書のレベルなのですが、

また、友人から注文がついたのですが。(笑) 非常に有名で丁寧な教科書として、 ジャクソン『電磁気学 (上)(下)』があります。やたらと分厚くて、私は読破す る気にはならないのですが、これが大好きと言う人も居るので、良い教科書な のでしょう。確かに、最後の辺りに載っている、単位系の話は為になりますの で、一度斜め読みでもしてみては如何でしょう?

タイトル

丸善基礎物理学コース 電磁気学I, II

著者

太田浩一

出版社

丸善

内容

I巻…電場・磁場一般、II巻…電磁波・相対論・量子論・物質中の変動 電磁場。歴史的記述が多い。

伝聞情報

「今までにないタイプの教科書」「読みものとしても良い」「でも、 図は少ない」等。

感想

参考書としてあげられていました。著者の意見、考え方というものが色 濃く反映されていて、とても面白い教科書です。数学的な道具など、すぐには 必要にならないものも含め、色々詰め込まれています。初学時は飛ばして読む のが良いかと。後で役に立ちます。量子力学の説明が量子力学の教科書より詳 しいなどという、不思議な事態まで勃発しますから。ただし、難しいのは難し いので、副読本用でしょう。また、演習問題のようなものは全く含まれていな いので、別に演習書を買った方が良いでしょう。

ファインマン物理学3 電磁気学

タイトル

物理テキストシリーズ5 電磁気学演習

著者

砂川重信

出版社

岩波書店

内容

同シリーズの「電磁気学」の姉妹書。説明が豊富(前書きによれば「"読 む"演習書」)。電場、磁場、電磁波とその放射。

伝聞情報

同シリーズの「電磁気学」と並んで、よく紹介される。「初学者向 けと書いてあるが、初学者には少し難しすぎる」との意見もあるらしい。

感想

参考書としてあげられていました。実際、初学者向けとしては難しいとおも います。理由はおそらく、第1章の例題1からして、ある程度の知識を前提と しているからでしょう。つまりは、本編『電磁気学』の例題を解いてか ら取り組む演習書…ということではないかと思います。


熱力学・統計力学・統計物理学


量子力学

さて、一番問題の教科と言えましょうか。一冊目の教科書としては、人気のあ る猪木川合はお薦めしません。私はこれで人生をく るわされました。(笑) まず、前期量子論は江沢洋が詳しいです。その後、ブラ ケットを使いこなすまでのつなぎとして、良いかな、と思えるのがMandlです。 数学的に厳密になり過ぎず、うまくまとまっている気がします。最後に Diracか、 J. J. Sakurai を読めば、学部レベルはOKではない でしょうか? 演習は、解答のエレガントさでは猪木川合 に分がありますが、いきなり難しい問題ばかりとかされるので、詳解でお茶を濁しておいては如何でしょう?

タイトル

量子力学I, II

著者

猪木慶治、川合光

出版社

講談社サイエンティフィク

内容

I巻…前期量子論、Schroedinger方程式(1次元階段・箱型・井戸型・調和振 動子型ポテンシャル・中心力場・水素原子・角運動量);II巻…摂動 論、WKB法、同種粒子、散乱問題、電磁場、Dirac方程式、経路積分

伝聞情報

「問題が多くてよい」「院試勉強に皆やっている」

感想

最近の本では、最もcomprehensiveな教科書なのではないでしょうか。現代 版シッフとでも言いますか、本当にあらゆる話題が扱われています。しかし、 最初からいきなり計算ばっかりで嫌気が差してきたり、私の恩師に「途中か ら人格が変わっている」「これは酷いと思う」と言われるほどに難しいブラ ケットの導入や、また同じく難しい角運動量の導入など、高等過ぎる感もあ ります。別の教科書できほんをやっておくべきでしょう。

タイトル

詳解 理論 応用 量子力学演習

著者

後藤憲一 他編

出版社

共立出版

内容

前期量子論、1次元問題(WKB含む)、量子力学の体系、球対称力、角運動量、 摂動論、変分法、同種粒子、第2量子化、電磁放射、散乱、量子統計、経路 積分、相対論的波動方程式、その他応用多数

感想

分厚い本ですが、後半は物理学科の学部生とは直接関係ないであろう、応用 的な問題なので、実質上は半分の薄さです。その中に、前期量子論から、や やこしい微分方程式、演算子の性質まで含めた、comprehensiveな演習書で す。ただ、解答は猪木川合の方がエレガントなの で、そちらも参照すればよいかも知れません。


物理数学

「アルフケンが全部あれば良い」という意見もありますが、少なくとも私は無 理でした。演習書系のものが使いやすいように思います。

タイトル

東京大学基礎工学7 複素関数論

著者

犬井鉄郎、石津武彦

出版社

東京大学出版会

内容

複素関数の微積分一般、有理型関数、解析接続、Riemann面、複素変数の微分方程式

感想

参考書としてあげられていました。序盤は役に立ちましたが、後半は応 用的な問題が少ないので、別の問題集を買いました。説明は詳しいのではない かと思います。

タイトル

基礎物理数学2 関数論と微分方程式

著者

ジョージ・アルフケン、ハンス・ウェーバー、訳:権平健一郎、神原武志、小川直人

出版社

講談社

内容

無限級数一般、複素関数一般、微分方程式、直交関数

伝聞情報

「これ(アルフケン基礎物理数学、全4巻)があれば、後は何も要らない」 「理解するのにもう一冊本が要る」という正反対の意見が…

感想

カバーしている範囲は広いですし、説明も分かりやすい部類に入ると思いま す。ですが、説明が足りない印象を持つところもあります し(例:主値積分)、反対に初学としては詳し過ぎるため、要旨がつかめない ところもあります。知りたい証明が練習問題として与えられているくせに、そ の解答が付いていないため、結局は他の本を参照する羽目になることも。辞 書的に使うには良いんですが。

タイトル

サイエンスライブラリ 演習数学5 演習関数論

著者

洲之内治男、寺田文行、網屋正信

出版社

サイエンス社

内容

複素関数の微積分一般、解析接続、有理型関数、等角写像

伝聞情報

感想

同シリーズの「演習微分積分」を1年次に使用したので。簡単に言えば、 「チャート式」っぽい問題集。例題だけを順にやっていけば、けっこう役に立 つのではないかと。サイエンス社の演習書のシリーズは他にも有って、ややこ しいのですが、このシリーズが一番やりやすいです。(私にとっては)

タイトル

理工系の基礎数学6 フーリエ解析

著者

福田礼次郎

出版社

岩波書店

内容

Fourier級数、Fourier変換、線形空間とFourier変換との関係、Green関数、 Laplace変換

感想

夏休みの宿題で、独学でFourier変換を勉強しないといけなかったときに、 いろいろな教科書を読んでみたのですが、私の見付けた中では最も分かりや すいものだったと思います。また、後半、ブラケット記法を使った理論を展 開しているので、量子力学の準備としても良いかと思います。Green関数も、 入門レベルとしては使えそうです。ただ、例題、問題がもう少し多ければ、 というのが心残りです。ちなみに、後に参考書として先生に紹介されたものでも あります。


シリーズもの

タイトル

ファインマン物理学

著者

出版社

岩波書店

内容

知らない人はいないでしょうが、一応。 I巻…力学 II巻…波動・熱と、えっと何だっけ? III巻…電磁気学 IV巻…なんだっけか? 物性? V巻…量子力学 …知らないの俺やないかい。

伝聞情報

最も有名な、そして名著中の名著と呼ばれるシリーズ。I巻とV巻が 特に人気らしい。

感想

語り口調のとても珍しい教科書。数式が少ない代わりに、数式の意味を 言葉で、非常に詳しく解説してくれる。余談というか、他の教科書にかいてい ないことが面白い。複素数の説明が入っていたりして、楽しい。その分、読む のは疲れるが。 I巻…力学の教科書というよりも、「物理学とは何か」を解説した本と言っ た方が良いかも知れません。読みましょう。 II巻…色覚の話とか面白いのですけれど、非常に残念ながら、読みにくい。 和訳がまずいのかも知れない。私は半分程度しか読んでないです。原 著を読むのも手かも。 III巻…ベクトル解析を解説した最初の部分は読んだ方が良いかも。それか ら、おまけの「最小作用の原理」の解説も面白いです。それ以外は 斜め読みしかしていませんが。 IV巻…未読。 V巻…図書館で借りたものの、時間が無くてほとんど読めませんでした。


おまけ(純粋数学、化学)

線形代数学

多様体

公理的集合論

化学

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